OCR・ローコードツールを活用した業務変革の実現に向けた実証事例​

注文フローが煩雑で特に製品から数値番号を転記する際にミスが多発しており、デジタルを活用して業務を変革したいとご相談がありました。製品に書き込まれた数値を読み取るというハードルが高い読取を複数のOCRを用いて精度確認と比較検証を実施しました。今後はOCRツール以外の入力アプリを用いた注文業務の効率化などの実証に取り組む予定です​。

相談者 日新運輸工業株式会社様
カテゴリ 業務改善・変革
相談内容 ・注文のフローで転記ミスが多発し、デジタルを活用して業務を変革したい
・Python、Google OCRなど色々試したが、画像認識には、どのツールを適用しているか分からない
支援内容 ・AI-OCRを使用し画像認識の実証実験を実施
・お客さまツールと精度比較実施
・他のツールを提案し引き続き実証を実施予定
相談に至った経緯 1年半ほど前に全社的にDX推進に取り組むため発足したデジタル部で、社内からいろいろと取り上げられる相談を通じて、OCRを使ったアプリケーション開発に取り組むことになりました。社内で検討を重ねていましたが、手法や考え方が本当に正しいのかなというような、不安も抱えていました。そのときに、Y-BASEが開設されたという情報を聞きまして、利用させていただきました。
最初に、解決したいと思っていたこと 当社業務の一部で、部品の研磨作業を請け負っており、委託元から送られてくる部品を受け入れる業務があるのですが、その際に部品に手書きされた番号を読み取って、記録する作業において2つの問題がありました。ひとつは、番号を読み取ってシステムに入力する手間がかかっていることで、もうひとつは、手書き番号を読むので読み取り間違いが発生することでした。 アナログで繋ぐ作業の中で人的ミスの可能性が上がってきます。工数としても、不可価値が低いものが増えます。これを解決するのに、OCRが利用できないかと考えました。
最初に考えていた不安なこと 我々はDXとは程遠い集団だったので、相談に行く怖さはありました。言われる事がチンプンカンプンで分からない等、場違いなのではないかと心配していました。
でも、考えていることを明確に伝えれば、やりたいことを拾っていただけて、自分たちが描いていたイメージがそれほど間違っていなかったのだなと安心しました。
コンサルタントは話もしやすく、ご無理も言っていると思うのですが、こちらの要望も結構受けていただきました。
DXコンサル中に実施したこと 私たちからは、手書き番号をカメラで撮影してOCRで認識させ、読み取った番号をアプリでデータベースに登録するというコンセプトを初回に説明させてもらいました。
OCRにもサービスが複数あるため、まずは精度評価から始めました。今回の読み取り対象は手書きである上に、いくつか異なるパターンもあり、どのOCRでも良いわけではないということが分かりました。
その後OCRを組み込んだサンプルアプリを作っていただき、実際の現場で試してみました。
DXコンサルで実現できたこと・それによる効果 従来は、番号の読み取り間違いがあれば現物を確認しに行っていましたが、OCRを使うと同時に写真も保存していたので、その場で確認を取ることができるようになりました。
OCRと取得した写真を併用することで、弱点を補っていく運用ができるようになりました。
現在はOCRに加えて、読み取り間違いをする場合に「音声入力」できる機能も搭載しようと挑戦しています。
DXコンサルを通じて感じたこと 自社では社内外の方々と触れ合うことがあまりなく、クリエイティブな仕事をやるには、社内の若い子にも外の世界や他業種の人を見てもらって刺激をもらってほしいと思っています。
Y-BASEではデザインシンキングなどの案内もありましたが、ゼロベースで何かに取り組んだり、問題発生した時にどう解決しようか答えのないものを進める上で必要となってくると思っています。
同じ部署の人にも、世の中にはこんなプロフェッショナルな人がいるとか、生き生き活躍されている人を見て刺激を持ってほしいので、そういう機会があれば参加させてもらいたいと考えています。
今後の展望 今後は部品受け入れ時の登録だけではなく、加工終了後に戻った時の登録作業にも活用し、一連の業務でプロセス管理を効率化・見える化できるようにしたいと考えています。
例えば、各社の工期もわかるようになれば、今まで勘と経験で決めていた、どこに何個外注する等の組み合わせが統計的に見えるようになり、将来的には、AIを活用した取組にも発展できればと考えています。
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